草木染めをしてみようかなとオニグルミの実を集めていたところ、母から「くるみでインクが作れるらしいよ」と面白そうな話を聞く。え、まじで?
ほほんとだ!
白髪染めまでできるとは。
予定変更してオニグルミインク作りをやってみる。
まずは情報収集
ネットで調べてみる。日本語の情報も少しあるが、英語の方がたくさん情報が出てくる。くるみインクは万年筆用のインクとして使われていたとのこと。作り方は、採取してすぐに作る、熟した黒い果皮で作る、煮て作る、煮ずに放置して作るなどのバリエーションがあった。古典的には煮て作るらしいが、煮ずに放置するのが良いよとコメントしている人もいた。(何が良いのかは忘れてしまった)
以下の3パターンに分けて試すことにした。
- パターン1:採取直後に4時間煮る
- パターン2:採取直後にひと煮立ち
- パターン3:黒い果肉に水を加えて放置
オニグルミの実の採取
採取時期は9月〜10月頃。オニグルミの実は木になっている時は梅の実のような姿をしている。熟すとぽとりと地面に落ちるので、落ちている実をせっせと集める。素手で触ると手が黒く染まるので軍手必須。

家に持ち帰り果肉を殻から外す。手が染まるので丈夫なガーデングローブ必須。黒く熟している部分はまるで炭化したみたいに軽くスカスカになっており指で簡単に外せる。青い部分は梅の実みたいに固くて取りにくい。1〜2週間ベランダで放置して全部黒くなるまで待った方が作業が楽そう。
果肉を取り分けたところ。殻の中身も可食部も取り出して食べました。その話はまた別途。

パターン1:4時間煮る
鍋に果肉、水、クローブを入れて煮る。クローブは香りつけと腐敗防止だそう。
とても黒い。くるみのコクのある香りとクローブの甘い香りが混ざってなんとも言えない香りに。見た目といい香りといい、魔女の料理といって差し支えない。

ここで少し液体をすくって書き試す。すごい、書ける!

4時間煮たところ。煮詰まってきた。

煮たものを布袋に入れて濾す。

グローブ必須!

濾したところ。

さらにコーヒーフィルターで濾す。すぐにフィルターが詰まるので何度かフィルターを替える。

漉せた。濾し終わるのに数日かかってしまった。フィルターにはねっとりしたコールタール状のものが残った。

濾せたら腐敗防止に1%のお酢を入れて完成。エタノールでも良いが、わたしは白髪染めもするかもと思ってお酢にした。
パターン2:ひと煮立ち
基本はパターン1と同じで、煮る時間を短くする。ひと煮立ちのつもりだったが煮詰めたくて30分ほど煮た。濾したら1%のお酢を入れる。
パターン3:水に入れて放置
採取したオニグルミをダンボール箱に広げて1〜2週間ほどベランダで放置し果肉が黒くなるのを待つ。先に実に傷をつけておくと黒くなるのが早いらしい。あらかた黒くなったら殻から果肉を外す。空容器に果肉、ひたひたの水、クローブを入れ冷暗所で2〜6週間放置する。発酵が進んでいくので、1日に1回ふたを開けガスを逃がす。勢いよく吹き出すことがあるので注意。2、3週間くらい経った頃だったろうか、酸っぱい匂いというか、腐敗しそうな雰囲気を感じたのでひと煮立ちさせて発酵を止める。濾して1%のお酢を入れる。
三者揃いぶみ
左から
パターン1:4時間煮る
パターン2:30分煮る
パターン3:水に入れて放置中
1は濾した後。2と3はまだ濾してない。

火を通せば発酵が止まると思いきや、3つともぶくぶく発酵する。中でも火を通していないパターン3のぶくぶく具合が激しい。蓋開けるときに「プシュッ!」ていうの怖い。黒い泡が吹きこぼれて慌てた。日数が経つと発酵は落ち着いた。
考察:どの作り方が良い?
- 果肉は黒くなるまで待った方が剥きやすくて良い。青い果肉も黒い果肉もインクにした後の色の違いはなさそう。剥くのが大変でない人は青い果肉から始めても良い。
- 水に入れて放置はあまり良い点が見つからなかった。腐敗の心配があるし、色や使用感にも違いがない。
- 4時間煮たものは液がとろりとしていて濾すのにとても時間がかかった。重合といって、オニグルミに含まれるタンニンは時間が経つと集まり不溶性のものになるらしい。(ワインのおりも重合でできる)長く煮たことで重合が進むとかあるのかな?
デメリットのなかった30分煮るバージョンが1番良いかな。
オニグルミインクの作り方(暫定)
以下はスマホのメモに残っていたレシピ。何を思ってこのレシピになったかを忘れてしまったが、多分長時間の煮出しで重合が起こるのを避けつつ色を出したいということかな?次インクを作る時はこのやり方でやってみよう。
オニグルミの果肉を剥く。黒いのが良い。青いのは黒くなるまで待つ。
果肉をひたひたの水とクローブに漬け一晩放置。
一煮立ちさせる。
酢を少量加え、ガラス瓶で放置。
酸化で黒くなるのを待つ。(2〜6週間)
白髪染めを試す
40代のわたし、白髪がチラチラでてきた。前髪の白髪が多い部分にオニグルミインクをちょいちょい塗ってみた。(古い歯ブラシで塗るとやりやすい)数十分放置したのちに普通に髪の毛を洗う。
染まって…いるような気もするし、染まっていないような気もする。髪はつるんとした。ヘアマニキュア的なものなのだろう、繰り返し使ったら次第に色が入るものなのかもしれない。本格的に白髪が目立ってきたらまた染め試してみようかな。
草木染めもやってみた
オニグルミの果皮と殻で草木染めも試してみた。

果皮は染めた直後は渋いカーキ色だったが、日が経つと柔らかな茶色になった。殻の染液はうっすいうっすい色で染まらないだろうと思っていたが、期待をはるかに超える良いベージュ色。殻を増やすともっと濃く染められるかもしれない。
くるみの果皮には鉄分が含まれているらしい。だからオニグルミの果皮で染めた時、媒染をしてもしなくても、どの媒染液を使っても同じ色に染まったのか。
草木染めのワークショップに行った際、鉄媒染はとても強くて他の媒染を押しのけて何でも鉄媒染にしてしまうと聞いた。その通りの染まり方をして納得。

